きゅうりの品種
きゅうりは非常に種類が多くて、世界では約500もの品種が栽培されているそうです。その分類については幾つかあるのですが、一般的には果実の性質によって白イボ系と黒イボ系に大別されています。
ちなみに現在栽培されているきゅうりの90%以上が白イボ系です。これは皮が薄くて歯切れが良いのが特徴です。
黒イボ系で春に収穫するものは、以前は南西日本でも多く栽培されていたのですが、こちらは皮が厚くて、白イボ系の真夏のものと比べると味も劣るので、現在ではわずかに作られているだけになってしまっています。
白イボ系の普通のきゅうりはどこの産地かということをあまりこだわらずに店頭で並べられています。特徴的な白イボ系となる「四葉きゅうり・スーヨー」は、葉が四枚付いた時期に実がなります。これは実が大きいのが特徴で、普通の白イボ系の1.5倍ぐらいあります。歯切れが良くて漬物にも適しています。これの改良版もあります。
「大和三尺」は、実が最大90cmにもなる奈良県特産の品種です。奈良漬けにも加工されています。
「勘次郎きゅうり」は、山形県真室川町の真室川の伝承野菜です。黒イボ系の全国的にも珍しいきゅうりですが、本来の黒イボ系とは違い、果肉は柔らかく、青臭さやえぐみなどもあまりありません。フルーツ感覚で食べることができるので、町の洋菓子店でもスイーツとして活用されています。
伝統野菜ということでは、東京都大田区の「馬込半白きゅうり」、東京都杉並区の「高井戸節成きゅうり」、石川県の「加賀太胡瓜」、京都市の「聖護院きゅうり」などがありましたが、生産効率の面から既に絶滅してしまったものもあります。